Yumiko Sakuma

フラワーデモに行ってきた

Yumiko Sakuma
フラワーデモに行ってきた

フラワーデモに行ってきた。

4月11日から毎月11日に行われてきたフラワーデモに、数ヶ月前に参加した友人(男性)がその存在を教えてくれて、11日に日本にいるチャンスがあったら必ず行こうと思っていたのだった。

性暴力の加害者が、次々と無罪になったり、軽い刑罰を受けるにとどまる事件についての報を見るにつけ、やり場のない怒りと哀しみと無力感を感じてきた。

特に12歳の頃から父親に週3回の頻度で父親にレイプされてきた被害者の証言が、静岡地裁で「家が狭い」という理由で信憑性がないとされたとき、名古屋で、別の男性が娘を強姦した罪に問われ、「娘の同意は存在せず、極めて受けいれがたい性的虐待に当たる」と認定されたのに「抗拒不能だったとはいえない」との理由で加害者が無罪になったとき、怒りで倒れそうになった人は少なくないだろう。

こうしたことが度重なったことを受けて、北原みのりさんの呼びかけで始まったのがフラワーデモだ。

そして、この日のことは、ライターの小川たまかさんが詳しく書いていらっしゃるので、そちらから。

性暴力を受けたことのある当事者が次々とスピーチしていく。伊藤詩織さん、「#kutoo」を始めた石川優実さん、元アナウンサーの藪本雅子さんに続き、たくさんの人たちがひとりずつマイクを握る。

息子が小学生のときにレイプされたというお母さんもいた。男性の、またはトランスジェンダーの被害者もいた。そんなひどいことが起きるのか、という辛い話が続く。聞いていて震えるような話ばかりだ。

でも起きているのだ。実際に。一般に信じられているより確実にたくさんの人たちが、自分の身に、起きた事件や自分の感情を封印しながら生きている。

辛い話を聞くのは辛い。でも耳を塞いではいけない。彼女たち、彼らがこの場で、声を出すために、どれだけの勇気がいっただろうか。社会として、被害者に寄り添わなければ、被害を受けた人たちがつらすぎる。そして、フラワーデモは、被害を受けた人たちに寄り添う場所だった。

デモ、というと、怒りの声を上げる、というイメージを持っている人も多いかもしれない。けれどフラワー・モは、限りなく優しい場所だった。もちろん、性暴力の加害者たちを罰するために刑法の改正が必要だ。けれどもそれだけではない。苦しみやトラウマを抱えながら、またセカンドレイプの被害に遭いながら生きているのである。

フラワーデモは今、全国に広がっている。11日、もし時間があるという人はぜひ行ってみてほしい。何か考え方が変わると思う。

備忘録:「どんな服を着ていても性的合意ではありません」フラワーデモに伊藤詩織さん参加(毎日新聞)