バイクシェア進化系

打ち合わせから取材まで、Citi Bikeに乗った。取材の最中に電話がかかってきた。あなたのカギがここにあります、というレストランからの電話だった。どうやらCiti Bikeのドックのそばに私が落としたカギを拾ってくれた人が、目の前のレストランに置いていき、レストランの人がCiti Bikeに電話をし、私の電話番号をゲットしたのだという。自宅や仕事場のカギもついていたので大切なカギなのに、落としたことすら気がついていなかった。焦って取りに行き、ニューヨーク、やっぱり最高だななんて浮かれていた。

しかし!夕方、アート・ブック・フェアにいるときに、電話のCiti Bikeアプリに通知が出た。私のアカウントを誰かが使って、ミッドタウンからハーレムまで46分に渡って利用した人がいるというではないか。Citi Bikeに電話してみると、私のアカウントから新しいカギが発行されたという。しかし、誰かが電話をした形跡もなければ、再発行の料金が課金された形跡もない。新しいカギは無効にしてもらい、料金を返金してもらった。カギが私の手を離れた直後に起きたことなだけに悪用とも思えるけれど、大した被害は被らなかったし、本気で悪用しようと思えばもっとエグいこともできた気がする。真相はヤブの中である。

ところでCiti Bikeはエンジェル・プログラムというのをやっていて、バイクが集中している場所からバイクが足りない場所へ動かす手伝いをするとポイントがもらえて、利用料金が安ったり、その他のベネフィットを受けることができる。エンジェルたちの走行量のランキングなどがあったりして、楽しそうですらある。しかもエンジェルになれるのは招待されるヘビーユーザーだけだ。ちょっとうらましい。ちょうど今、シェアリング・エコノミーの未来について考えているのだが、これも進化系のひとつである。

備忘録:バイクシェア再考 コーネル大学のリサーチャーが円滑な移送方法を開発(The Cornell Daily Sun)