DiaryYumiko Sakuma

タイ、選挙を控えて

DiaryYumiko Sakuma
タイ、選挙を控えて

バンコク4日目。今回の仕事の「クライアント」であるアーティスト、Daboywayから夕方連絡があって呼ばれたのはスニーカーショップのオープニング。地図を見たら真っ赤っ赤である。車だと1時間近くかかりそうだけれど、オートバイ・タクシーだと20分くらいの場所だった。会場についてオートバイ・タクシーを降りて、支払いをしようとしたら財布がない。結局、3回、計1時間強、猛スピードで行ったり来たりすることになった。バイク・タクシーの運転手はめっちゃスピードを出すわりには、混んだエリアに入る手前に毎度、手で十字架を切っている。ひえー。ビビるから、やめてくれよ。そういえば、JPが「散々事故を目撃してモーターバイクに乗るのはやめた。お前もやめろ」と言ってたなあ。しかしすべて車で移動していたら、いつまで経ってもどこにもたどり着けない街である。おまけに自分は短気なアドレナリン・ジャンキー。あまりにスピードにちょっとビビりそうにもなったけれど、「今日は私の死ぬ日ではない」と思い込んで、目的地まではなんとかたどり着いた。

レセプションから、夕食を経て、打ち合わせが始まったのは22時すぎ。結局、午前3時くらいまでやっていたよ。バンコクのペースはこんなもんか。

途中、タイで行われる選挙の話や、世界の政治的環境の話をDaboywayとした。「ニューヨークが恋しくない?」と聞くと、「yes and no」という答えが返ってきた。「ニューヨークはかつてのニューヨークではないしな。アメリカや日本はタイのことを途上国だと思っている。でも見てみろよ、この国ではどんな貧乏な人間だって、食事にはありついてるぜ」

そうなのだ。軍事政権下にあるとはいえ、たまに検問があるくらいで(これは私はけっこう苦手だけれど)、みんな普通に生活している。貧富の差は明らかにある。けれどニューヨークのようなシビアなホームレス問題はない。日本のようにギスギス怒る人たちもいない。こういうのを見ていると、政治体制の意義ってなんだろうと思ってしまう。

備忘録:タイの選挙は見かけと現実が違う(The New York Times)