IssuesYumiko Sakuma

過激化するアメリカの非モテ人口

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過激化するアメリカの非モテ人口

最近、incel(インセル)という言葉を学んだ。Involuntary Celibacy(非自発的禁欲)の短縮で、要は、セックスする相手がいないという状態のことを言う。先週、フロリダ州タラハシーのヨガスタジオで二人の女性を殺したあとに自殺したScott P. Beierleは、インセルを自称し、オンラインに女性やマイノリティに対するヘイトのメッセージを残していた。この広いオンラインの世界に、自称incelの男性たちが集う場所がたくさんある。そしてそれが、女性や社会へのヘイトの温床の場になっている。そして彼らは犯行に及ぶ前に必ずオンラインに足跡を残していく。

社会や女性たちに拒絶されたと思った男たち、日本で言うところの非モテ人口が過激化していく。日本でも思い当たることがある。こういう彼らはどこかで優しい大人や愛せる相手に出会わずに、気持ちを硬化させていくのだろう。トランプ大統領と不倫して、法廷で争ったポルノ女優のストーミー・ダニエルズが、自分にヘイトをぶつけてくる「保守派のライター」とTwitter上でプロレスをしていた。お世辞にも魅力的とはいえないタイプの保守派のライター氏は、過去に未成年の女性たちからセクハラのそしりを受けていたことをダニエルズに晒されていた。

インセルという言葉は、1997年にカナダ人女性が立ち上げたInvoluntary Celibacy Projectというウェブサイトから生まれた。孤独な人たちが孤独をシェアするコミュニティだったけれど、彼女が手を離したあとに、そこに残ったユーザーたちが過激化した。そんなユーザーの一人が銃乱射事件を起こしたことを知り、今彼女は、孤独な人たちのためのリソースをシェアするサイトLove Not Angerというサイトを運営している。クールな社会に「拒絶」されたと感じたタイプが過激なヘイトに走るのだとしたら、彼らがどこかで心優しい人に出会って考えを変えることを祈るしかない。こっちの船のほうが楽しいよ。

備忘録:インセル・ムーブメントを立ち上げた女性(BBC)