いま、地球にかつてない危機が押し寄せている。
と同時に、いま、かつてないほどの人々が声を上げている。
急激に進行する気候変動を前にして、私たちの生きる社会のあるべき行き先と、その社会の中で実際に起こっている運動の萌芽を、佐久間裕美子さんの『Weの市民革命』と斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』は、ともに描いています。
佐久間さんは、自身の住むニューヨークの周りで「トランプ時代」の4年間に起こった目の前の市民運動に、斎藤さんは、自身で発掘した晩期マルクスの「脱成長コミュニズム」へと向かう新たな思想の姿に、軸足を置きながら。
グリーン・ニューディール、ジェネレーション・レフト、協同組合(コーポラティビズム)、〈市民〉営化、従業員アクティビズム、そしてI/We can’t breathe……
少し用語は違えど、この2冊の本が取り上げる事象は驚くほど重なっています。
それぞれの目線で捉えるそうした「新しいうねり」のリアルな事例をヒントにしながら、ひたすら利益を追求するこの資本主義をどうすれば乗り越えていけるのか、持続可能で公正な社会はいかにして可能か、そして「私たち」はなぜ無力ではないのか、手元や足元から考え直してみる時間になることと思います。
「人権、気候、ジェンダー、そして資本主義。すべての問題はつながっているのだ」
(『人新世の「資本論」』p.347)
「労働者の待遇善や安全方策の向上を求める労働運動からはじまって、LGBTQ+の権利保護運動、プロ・チョイス(中絶の権利擁護)運動まで、社会のプログレスを目指すアクティビズムはすべてつながっている」
(『Weの市民革命』p.157-158)
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